商売繁盛のためのお祭り
自営業や個人で働く人にとっては、商売繁盛のためのお祭りはとても大きな行事となります。
普通伝統行事としてのお祭りというのは、田植えや収穫を祝うための農民のためのものや、あるいは宮中行事が発展したものが多く、商人たちの活動をメインとするものはそれほど多くありません。
ですが、21世紀を迎えた現代においてはむしろ農家や宮中関係者の方は人口的に多くなく商売をしている人がほとんどです。
そのため商人たちの繁栄を願うお祭りの人気はここ数十年で以前よりも高まってきていると言えるでしょう。
年中行事として存在する商人向けのお祭りの中でも、もっとも大きいのが毎年11月に行われる「酉の市」です。
酉の市とは、11月の酉の日に鷲(大鳥)を祀る神社で行われるお祭りであり、全国各地でそれぞれの伝統に従って開催されます。
中でも特にその規模の大きさで有名なのが東京の下町にある鷲神社や、大阪・堺市の大鳥神社でのものです。
東京の酉の市
東京での酉の市では、江戸時代からの伝統である露天による商売繁盛のための品物が数多く販売されるようになっています。
浅草にある長國寺では鷲神社と隣りあわせて大きな市を開催することとなっており、全国でも珍しい「寺院」と「神社」の2つの異なる神様を祀る行事となっています。
どちらも「おおとりさま」という商売の神様に利益をお願いできるきまりとなっており「神と仏の酉の市」という別名がつけられています。
開催時には国内外から数多くの観光客が訪れており、深夜0時から翌日の深夜0時までの24時間をフル稼働で来院客を迎えるようになっています。
浅草酉の市での人気商品は「縁起熊手」で、大きな模様のついた熊手はより多くのお金を集めてくれる縁起物として多くの商売をする人たちに毎年買い求められています。
熊手には大小かなりサイズの幅がありますが、年々商売を大きくしたいと願う人は毎年買い替えのときに前の年に購入したものよりも大きなサイズにするのがゲン担ぎと言われています。
年に一度の大きなお祭り
酉の日とは、ふつう1ヶ月の中に周期として2~3回出てくる日となっています。
それぞれ一の酉、二の酉、三の酉、と言われていますが、三の酉まである年は火事が多いとも言われ注意を促されています。
酉の市は浅草や堺だけでなく、新宿や池袋、千葉県や埼玉県など数多くの市区町村でそれぞれ独自に開かれています。
商売をする人でなくとも年に一度の大きなお祭りとして十分に見どころがあります。